“「火」号vol.3”のテーマは、「火」。
今から、ちょうど20年前のこの時期、小社では、『THE FIRE THIS TIME』(邦題『ラムゼー・クラークの湾岸戦争 ~いま戦争はこうして作られる』)を制作していました。
この本は、湾岸戦争が第一次ブッシュ政権によって、いかに仕組まれたかを米国司法長官だったラムゼー・クラーク氏が告発したものです。ノアの方船の物語のなかで、人々は洪水によって滅ぼされましたが、生き残った私たちはいまだ傲り続けており、ついに「今度は火だ」(今度は火によって滅ぼされるのだ)というのがこのタイトルの原意です。キリスト教に親しみ英語をネイティブにする人には、実に気の利いたタイトルだったようです。
現在のシリアやイラク問題には、いまだに米国がその踏み込んだ足を抜け出せず、世界はまさに火攻めに遭うのではないかという危惧があります。
さて、今号の「火」特集は、燃えさかる炎の「火」だけではありません。『ラムゼー・クラークの湾岸戦争』日本語版の推薦者でもあり、力のあるあとがきを書いてくださったカトリックの神父、押田成人氏は、ヒトは霊長類というようにヒトの「ヒ」は霊・火、「ト」は止まる、で人間は霊がとどまるところだとおっしゃっていました。今号は、その人のなかにある、「内なる火」を意識して特集を組みました。自然のエレメントとしての火は、あらゆるところに存在し、影響し合っています。
20年前の7月、小誌前身の「湧」巻頭言の最後はこう結ばれています。
(ノアの方舟の水攻めの甲斐なく)
「今度は火だ」が、人間の傲慢さに与えられる罰であろうと自業自得であろうと、選ぶ道はただ一つ、全生命に対する畏敬と徹底した謙虚さをとりもどすしかない。
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天然・自然のココロ じねん36.5°火号vol.3
<もくじ>
●火のおはなし
『母の時代』より、和田重正のことば…1
●特集 「火」の力を感じる人
今回の特集は、タンカ師(仏画師)の玉木ミエさん。現在、長野県の奥で自給の暮らしをしていらっしゃいます。タンカとともに太古の文明カタカムナを学びながら、この世界の先行きを表裏から見てこられました。火(ヒ)は始まり、とおっしゃる玉木さん。今は、まさにいのちが生まれ変わる時期だとおっしゃいます。
タンカ師として、自然、そして人を心の目で見てきた。
日常見ている「火」ではなく、生命の中にある「内なる火」とは?
「最初のヒ(火)を紐解く」
玉木ミエさん…4
●連載
おいしいレシピと火の神さま「アグニ」のこと。
[アーユルヴェーダ]Cooking Yoga をはじめよう
ミヤモトタミコさん…14
東北に伝わる昔話、「なら梨とり」を読んでみよう。
[おはなし小箱]見えないものを見る時間
德井いつこさん…18
歯に衣着せぬ痛快人生相談!母と娘の関係性って?
[お悩み解決]アマゾン四次元相談室
南研子さん…56
●わたしの体験記!
「いのちを丸ごと体験する〜助産院での自然出産記〜」
岡田 直子さん …28
●いまだからこそ!地湧社の本
『いのちのために、いのちをかけよ』
吉村医院元院長 吉村 正さん …38
●みんなに知ってもらいたい
「福島の子どもたちにハワイ島で保養してもらうわけ 」
ふくしまハワイキッズ きくちゆみさん…46
●みんなに「じねん」について話してもらうコーナー“ぼくとわたしのじねん”
「人と人と手に流れてきた今とこれから」
「焼き菓子や ひとひとて」 小野木淳さん …51
●たまには本でも…
わたしの『野の花きりえ』読書体験
「花の木屋」店主 小松満由貴さん…60
●じねん36.5°マルシェ[おたより・お知らせ・妄想]…62
●地湧社の日常①…27
●地湧社の日常②…37